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健康経営研究拠点の創設およびシンポジウムのお知らせ

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2013年01月24日
古井 祐司

皆様にご報告があります。
このたび、国民の健康づくりを積極的に進める目的で、健康経営を社会に普及・定着するための研究拠点を東京大学内に創設いたしました。
最近の動向および今後の展開のご紹介を兼ねて、来月、創設記念シンポジウムを開催いたしますので、併せてお知らせいたします。

日本を代表する先進的な健康経営企業をはじめ、厚生労働省(医療保険施策・保険者機能との連動)、経済産業省(ヘルスケアの事業化および国内外への展開)からもご登壇いただきます。
企業、自治体だけでなく、保険者、医療団体などあらゆるステークホルダが健康経営の実現という大命題の中で、いかに個人の健康生活に寄り添うことが出来るかが大切であり、同時に疾病予防や医療保険の効率化につながります。
皆様におかれましては是非、シンポジウムにもお運びいただければ幸いに存じます。

なお、以下に昨年末の国際学会で関連のお話しをさせていただきましたので、抄録を添付いたします。
本年もご指導よろしくお願い申し上げます。

以下抄録———-

「集団特性に応じた疾病予防の事業化」
~健康経営の社会的評価との連動~

■はじめに
 近年の法改正に伴う健康・医療関連データの標準化および蓄積により、未病の段階から疾病予防を目的とした個々への効果的なアプローチが可能となった。また、職域および地域においても集団で健康状況を把握し、その特性に応じた効率的な予防介入の実現性が高まったことは、疾病予防サービスの事業化を促す環境整備につながっている。一方で、従業員や住民の健康づくりを積極的に進める“健康経営”を社会的に評価することで、疾病予防の一層の普及および定着を図る試みが始まっている。

■疾病予防の事業化の流れ
 21世紀初頭の大学の法人化の流れの中で、当大学医学部附属病院に産学連携に基づき予防医学を基盤とした研究拠点を創設する「22世紀医療センター」構想が2002年に発足し、現在の運営に至っている。また、国民全体に疾病予防の網をかける視点から、保険者機能を活用した予防医学の普及のあり方を検討する目的で設置した「健康委員会(ヘルスケア・コミッティー)」を、参加する健康保険組合などからの要望を受け、2003年に疾病予防サービスを提供する事業体(以下、HCC)として株式会社化した。現在、HCCでは健康保険組合、共済組合、国民健康保険など医療保険者を通じて、100万人超の被保険者に予防サービスを提供している。2008年に花王、2012年には味の素からの出資を受け、個人の健康課題に対する健康ソリューションの提供を目指している。

■集団特性に応じたサービス提供
 レセプト電子化の進展に加え、特定健診制度下での健診データの標準化により、職域および地域での集団特性の把握が容易になった。自集団の特性を把握することで、効果的な予防介入が可能になるだけでなく、データに基づく可視化や他集団との比較により、ステークホルダの理解を得られやすくなり、事業運営の円滑化に寄与している。

■“健康経営”の社会的評価
 企業などの健康づくりを体系的に評価し、評価結果に応じたインセンティブを付与する仕組みの構築を開始した。本年度より導入された日本政策投資銀行の「健康経営格付融資」はその一例である。“健康経営”企業として、SランクやAランクといった評価を受けた企業は金利優遇を受けている。今後は金融、保険、税制優遇といった視点でも健康経営の普及を目指す。そのための研究拠点を今秋、創設したところである。

以上

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