HCCの考える予防事業

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特定健診・保健指導で医療保険者に求められること

変わる保健事業の役割

医療保険者が被保険者に提供してきた従来の保健事業は、福利厚生的な要素が強いサービスが多かったのではないでしょうか。しかしながら、近年の社会経済状況の変化に伴い、医療保険財政も急速に悪化したことから、保健事業は再構築が不可欠になっています。これからの保健事業は、限られた財源の中で最大限の効果を志向するものでなければなりません。
一方、特定健診制度の導入により、保健事業には「被保険者全員へ、健康な生活を送るために必要な情報と、病気の予防に取り組むきっかけを提供する」という役割が、より明確に課せられるようになりました。病気ではない人を含む被保険者全員へ予防サービスを十分に行うよう、医療保険者も変革を求められているのです。

メタボを確実に減らすために

特定健診制度では、資源配分を考える視点として「階層化」という仕組みが導入されました。どのような健康状況の人に、どのような介入をすべきか。階層化をすることによって、受けっぱなしの健診から脱却し、健康状況に合わせた効果的な介入ができるようになります。
リスクが高い人に対しては個別の指導などが行われることになりますが、その中で特にどういった人たちを優先するかは、対象群の人数、保健指導の導入のしやすさ、提供した際の効果、必要となる資源、当該地域・事務所の環境などを勘案して、医療保険者や専門職が決定することになります。「特定保健指導」をみても、生活習慣が高齢者に比べてまだ固まっていない若年者を優先して行うところや、少しの支援で改善が見込まれるリスク数の少ない人を対象にするところなど、医療保険者それぞれで工夫をされています。
一方、リスクの低い人、健康な人に対しても、ただ健診結果を伝えればそれでいいというわけではありません。
私たちは2003年より複数の健康保険組合と先行的に予防事業に取り組んだのですが、そこで「いくら保健指導を一生懸命にやっても、被保険者全体では生活習慣病および予備群が全く減らない」という現状にぶつかりました。メタボリックシンドロームの被保険者に保健指導を行った場合、プログラム実施後には4割程度が腹囲や検査値が改善して健常群になっていましたが、その一方で、健常群の5%にあたる被保険者が、毎年、健康状態が悪化して新たにメタボリックシンドロームになっていたのです。そのため全体としてみると、悪化者の数が改善者の数を上回っていました。

こうした現状を改善するために、特定健診制度では健常群も含めた全員に対して「情報提供」という保健指導を実施するよう規定されました。医療保険者の中には、「情報提供」を従来の健診結果通知票であると勘違いされている残念なケースも見受けられます。しかし、悪化者を減らすためには、病識のない人に対しても「リスクが出はじめている自分の状況」や「集団の中で今の自分は何が違っているのか」を認識してもらうこと、そして本人が意識・行動変容しようとしたときに必要となる知識・技術を提供することが重要です。「情報提供」には保健指導としての効果があり、保険者のサービスへの感度や親和性を高める役割もあるのです。

HCCの考える予防事業

  • 生活習慣病を中心とした疾病予防の必要性
  • 特定健診・保健指導で医療保険者に求められること
  • HCCが提案する「効果の出る生活習慣病予防」とは