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古井 特定健診についてはいかがでしょうか。

松本 特定健診の項目と、そうではない健診(人間ドックなど)がありますが、項目をどう整理すればいいのでしょうか。また、特定健診の判定と、労働安全衛生法の判定の違いも悩みます。臨床学的には空腹時血糖値は110が境界ですが、特定健診では100です。105という人に対して、今まではノーマークでしたが、特定健診ではリスクありで、総合判定をする場合、この方に何と言えばいいのでしょうか。

古井 BMIや腹囲は特定健診に合わせ、特定健診に入らない項目は従来通りの基準のようです。空腹時血糖値のように基準が異なるものは特定健診に合わせていくのでしょうか。

松本 40歳からの義務に関わらず、25歳の人でも特定健診を選ぶことができる制度にしたいと思っています。それができる環境を整えるため、若年から特定健診を受けやすい環境、制度にしていただきたい。そのためにも、たとえば、「30歳代から特定健診をするのがのぞましい」と厚労省から言っていただけるとありがたいです。

小林 個人情報保護に関して疑問があります。たとえば、健診データの階層化の結果、医療機関への受診を勧奨する方のデータを人事担当者に渡し、受診勧奨をしてもらおうと思いますが、これは問題はないでしょうか。また、これから実施するアンケート(問診票)のデータを利用して人事担当者と協働して受診勧奨を行うことは問題あるでしょうか。さらに、レセプトデータを利用して人事担当者と協働して受診勧奨を行う場合いかがでしょうか。

古井 個人情報に関しては、細心の注意が必要ですね。

松本 健診機関で保健指導をする用意があるところは多いと聞きますが、健診同日の実施は可能なのでしょうか。 数時間待たせて血液を分析した上で、「情報提供レベルで問題ないから帰ってください」という問題が出そうですね。あらかじめ保健指導券を渡すことになると余計なお金を取られそうですし、同じ日に指導をするために機器を導入されて値段が上がるのも困ります。やらないほうがいいのではないでしょうか。

大村様からの回答

労働安全衛生法と特定健診の項目は、現状だんだん合うようになってきていますが、両者での判定の違いはあります。労働安全衛生法の健診では今まで通りに健診結果を出して、特定健診ではさらに情報提供という形でフォローすることになります。

ちなみに、特定健診結果は電子媒体で提出することとなっています。多くの場合、アウトソーシングしていて、そこから何かの媒体にのってデータが来るのです。それを電子データで納品させればコストはかからないでしょう。企業内健診では、「なぜ電子化しなければならないのだ、健保側でやってくださいよ」という議論がでると思うのですが、健保にやらせると言うことは保険料を使ってやるということ。それでいいのでしょうか。
また、これまでの企業内健診のデータは、必ずしも厳密ではなかった面があります。血圧を測るにしても、降圧剤を飲んだまま健診を受けに来ているのが実態です。これは本当に労働安全という観点でみて十分なのでしょうか。たとえば、治療を受けていた人がいても、それが分からなかったのが今の事業主健診。レセプトがあれば突合すれば分かります。いまでも契約した電話無料相談などはありますが、それはその人の実態に合わせた形でピンポイントに対応できているとはいえません。どこまでやるかという話は労働組合さんと共同でやらなければなりませんが、突合することによって組合員にとってもメリットがあることが分かるようになると思います。家庭内での疾患、介護などの状態も分かる。家族全体を見て、生活習慣だけではなく家庭環境をみて対応できる。鬱にしたって、職場の環境や家族が疾患になったとか、子供が不登校になったとか、そういう部分に原因がある場合があります。こういうことを話し合っていくと、かならず事業主と一緒にやったほうがいいとなります。ただ、これは単一健保さんでは可能でも総合健保さんでは難しいかもしれませんが。

健診後の情報提供は、事業所単位でやるのも、健保一括でやるのも、どちらでも構いません。健診機関が情報提供をやっても構わないです。ただ、データがひとつの場所にきちんと集まらなければなりません。また、個人への情報提供をしつつ、事業所単位、年齢での分析、階層化は重要であるかもしれない。労働安全衛生法は、これらの観点からは実施できていなかった。フェイストゥフェイスで本人にしか実施していなかった。ある健保さんで、健診機関から来る結果を全部横並びで見て、事業所で悪いところには重点的な情報提供や指導をやる、というのはいいわけです。少し頭を使って工夫をしていくだけで、いろんなものが生まれていきます。それもすべてはレセプトを持っているからなのです。今回の改正で大きな役割を保険者に持ってきたのはレセプトがあるからです。

特定健診が40歳から義務化されましたが、それより若い世代の健診や情報提供といった部分は健保の本来の業務としてやるべきことですよね。今回の法改正によって、各健保が自らの現状を把握し、保健指導の内容を見直すきっかけになったのではないかと思います。ちなみに、保健指導については、平成16年7月に大臣告知「健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針」平成16年7月30日厚生労働省告示第308号でその内容、位置づけが明確になりました。

個人情報は、きちんとした手続きを踏めば渡すことはできます。また、労働組合とも事前に取り決めをした方がいいと思います。何のためにデータを渡すのかをはっきりさせないと人事管理の話になる。そういう話ではなく、「家族全体の健康管理のために必要なのだ」という説明をしていただきたい。お酒を飲んでいるばかりのお父さんに「この食品は○○カロリーで」などと言っても分かってもらえませんが、食事を作っているお母さんなら話は分かる。その結果、保険料を上げなくてもいい、というのは実質的には給与のベースアップになります。また、被扶養者といえば奥さん、それから高齢のお父さんお母さん。これらの方のデータが分かってくると、既往歴や体質的なものも分かってくるのです。そういうことも分かるようでないと、より効果的な保健指導を行えないわけです。潜在的に糖尿病になりやすい、なりたくなくてもなってしまう方もいるわけですから。このあたり、健保のなかでも持って行き方が上手な人とそうでない人と、分かれてくるかもしれません。

健診機関で午前中血液検査をしたあと、2、3時間待って保健指導をするのもいいことだと思います。しかし、血液検査がどれくらいのスピードでできるかにもよるでしょうね。


古井 先日も健保や健診機関とお話した中で、健診結果と情報提供の役割分担のことが出ました。イメージとしては、前者が従来どおりの数値と判定結果票、後者はメタボ予防のために何をすれば良いかのアドバイス冊子やITを活用した教育コンテンツということでした。そのほかに、何かございますか。

小林 腹囲の信頼性はいかがでしょうか。食事のタイミングや測り方で数センチ誤差がでて、それで保健指導対象者になるのはおかしいのではないでしょうか。基準をBMIに置くほうがスッキリするのではないでしょうか。

荒木 被扶養者の健診で、今は市区町村で実施していますが、平成20年度になると国保が主体になります。その際、地域で受けていた人が閉め出され、健診難民が出るのではないかと思っています。これまで健診を受けていた人が受けなくなってしまうのではないか。ここを国保で、今までと同じように地域で受けられるよう体制を整えていただきたいですね。

松本 「住民健診に変わる健診は、健保の扶養者は受けられない」と国保がいっているという話を聞きますが、制限するような動きは筋がずれている気がします。

小林 健診のスキームや健診機関の集合契約先など具体的な内容が見えてくるのはいつぐらいでしょうか。そのほかにも、被扶養者健診への補助金は出るとは聞いているのですが、具体的な内容を知りたいと思っています。
古井:なるほど。是非、確認したいところですね。

大村様からの回答
腹囲については、2年後の見直しで検討されると思います。

国保主体の健診については、もう待っていられないということもあり、2つの選択肢で進めていただきたいと 思います。まずは、自健保で(個別契約)健診機関を使って、できる範囲で進めていく。国保といっても全国に1,800あり、それぞれがばらばらでやる、やらないを意思表明してくる。意思表明したからといって、健保が被扶養者の住所をすべて管理しているかといえば分からない場合もある。また、ある県内のすべての国保が、県全体でそろって健診をやります、とはなりません。ですから、まずは自健保で動いてみて、その後、国保です。私がもし健保の常務理事であったら、単価が気になるでしょうね。1,800国保は、単価はバラバラです。ある町では4万円で、なにそれ高い、ということも起こります。独禁法に触れるので、厚労省では価格を調整しません。

補助金が出る可能性はあります。予算が取れた場合には、1,500の健保さんへの配分は健保連にお願いすることを考えています。



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