2011年04月27日
古井 祐司
いま、私たちの多くは、
「東北のため、日本のために何かできることはないか」
と思っています。
企業が義援金を提供したり、医療関係者が現地にボランティアに入るなど、様々な支援の輪が広がっています。
その一方で、多くの健保組合の皆さんから、
「この時期に保健事業なんかをやっていて良いものか」
といった声をうかがいます。
この震災は、健保組合にとって大切なことが何かを考える良い機会かもしれません。
震災後に人工透析を要する患者および家族の皆さんが大変な思いをされている様子が紹介されたことで、生活習慣病の予防・管理の大切さが改めて浮き彫りになりました。
ぜひ、日頃からの健康づくりを推進する動きにつながってほしいと思います。
被保険者一人ひとりが節電に貢献しながら、健康づくりを進めるキャンペーンもできるかもしれません。
これから夏にかけて、私たちの基礎代謝は減っていきます。
体温維持など冬ほどのエネルギーが要らないからです。
また、喉が渇いて缶コーヒーやスポーツ飲料を口にする機会が増えます。
つい夜更かしして、朝食を抜くなど食事が不規則になりがちです。
こうなると、メタボになりやすいだけでなく、血糖をコントロールするインスリンの効きも悪くなります。
こんなときには、エレベーターではなく階段を使う、スーパーに行くときに車は使わない、3食を規則正しく取るといったアクションを起こすことができれば、メタボ予防を進めるだけでなく、節電にもつながります。
健康増進と節電が同時にできるという打ち出し方をすることで、被保険者の皆さんのモチベーションも上がるのではないでしょうか。
健保組合にとっても、今年度は大切な年になります。2012年度は特定健診・保健指導の第 I 期評価であり、メタボ減少率が指標のひとつに予定されています。
評価の際には2012年度に実施する健診の結果が使われます。
つまり、今年度中にどれだけメタボを改善できるか、新たなメタボをつくらないかが、評価の分かれ目になるのです。
このようなことを意識しながら、真に被保険者のためになる保健事業を進めた健保組合が社会的に評価される、2012年度はそういう時期ではないでしょうか。
余談になりますが、週末に上海の大学病院を訪問し、糖尿病の患者さんが押し寄せ、身動きがとれない病棟というものを初めて経験しました。
糖尿病患者が1億人を超えた中国では今年、国民皆保険が導入されましたが、貧富の差によって受けられる治療や予防に相変わらず大きな格差がある状況が、皆で食習慣・生活習慣を良くしていこうという健康文化の醸成を妨げていることを感じました。
震災によって一体感が高まっている日本の状況は、これまで醸成されてきた健康意識と知識を実際の健康づくりという行動に変えるチャンスだと思います。
