2010年06月17日
古井 祐司
いよいよ次期医療保険制度改革に向けて、ギアが切り替わる時期になりました。
日本経済が停滞したまま、生活習慣病などの増加が止まらないという状況下で、皆保険を維持するという判断をした場合には、後者に対して徹底的な施策が必要になります。
つまり、従来のように国民全員に「給付」を確保するのであれば、「予防」の網掛けが不可欠になるわけです。
具体的には、「保険者機能 ≒ 予防(保健事業)を遂行する機能」が発揮される仕組みを医療保険制度に導入することです。
マスコミ報道などからは、制度改革の検討が高齢者にかかる医療費負担に関する議論に終始している印象を受けますが、たとえば国の高齢者医療制度改革会議においても、保健事業およびその1丁目一番地である特定健診・保健指導の有用性が示唆されています。
保険者機能に実効性をもたせる仕組みとして、以前よりインセンティブ制がそのひとつとされています。
医療保険者へのインセンティブに関しては2012年度だけをみると支援金の加減算といった形でしかありませんが、今後は仕掛けを追加し、運営面に工夫を加えながら強化される流れが考えられます。
また、被保険者に関しても、病気を増やさない、負担を増やさないという共通の目的に向かうインセンティブ、制度上での明確なメッセージが必要です。
医療保険者だけでなく、被保険者にもインセンティブ制を導入すべきという意見は多くの皆さんからいただいています。
たとえば、ドイツの公的医療保険のように保健事業プログラムへの参加を医療費の自己負担軽減につなげたり、民間保険のように個々の保険料に連動する形です。
専門家によると、サッカーワールドカップ(南アフリカ大会)の舞台で日本が1点を守りきったのは、みなが同じ目的、同じ意識でボールに向かったことに尽き、これは前回ドイツ大会のオーストラリア戦(逆転負け)とは対照的だそうです。
医療保険でも、まさにメンバー(被保険者)の意識をあげることが生命線であり、全員に網をかける仕掛けは不可欠であると思います。
