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高額医療費の発生を防ぐ視点

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2010年05月07日
古井 祐司

心筋梗塞や脳梗塞といった重症疾患の発症は、高額医療費の発生という視点で医療保険者に大きなインパクトがあります。
1万人超の健保組合では年間20、30名の発症がありますが、その被保険者が一年前にどのような健康状況であったか、という分析は保健事業を組み立てる上で重要です。

「心筋梗塞で倒れたAさん、いつも元気そうだったのに、ひとはわからないものだねえ」
という話を聞いたことがありますが、果たしてそうなのでしょうか。
A健保組合のデータで検証したところ、発症者のうち一年前には太ってもいないし、リスクもまったくなかった被保険者は9%にすぎないことがわかりました(下図参照)。
要は、『9割以上のひとは既に何らかのリスクを持っていたが、本人も周囲もそれほど気にしていない、あるいは認識していない場合が多い』、ということのようです。

重症疾患発症一年前の分布

資料:A健康保険組合会議資料改変

また、発症者の3分の2は生活習慣病でのレセプトは存在していない状況であることから、

  • リスク者の多くは健診データをみないと捕捉できないこと
  • 被保険者全体(少なくともやせでリスクなし以外の被保険者)には動機づけが必要なこと

があらためてわかると思います。

先月の東大病院22世紀医療センター内会議では、最近の重症化疾患の増加傾向に関して指摘がありました。
その中でも、たとえば血糖値が高い方が合併症で心筋梗塞を発症するなど、既にリスクが出始めている方がリスクを重ねたり、重症化するケースが増えていることに対する危機感が共有されました。
特定健診制度下での上記データ分析結果からもこの傾向が示されており、保健事業の組み立てに一刻も早く反映させる必要があると感じました。

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