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被保険者全体に網をかけることが保健事業の生命線

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2009年12月18日
古井 祐司

東京都が開催した特定健診制度下での事業評価の研修会が、今月で終了しました。
「(a)国の評価」は、制度の定着および普及を図る目的ですが、「(b)医療保険者による評価」は保健事業の効果を高めることが狙いです。
(a)、(b)ともに厚生労働省の研究班での重要テーマのひとつであり、この研修会を通じて医療保険者のみなさんにその考え方を知っていただき、被保険者のQOLの向上および医療費の軽減につなげてほしい! という想いで登壇させていただきました。

(b)では、(1)網羅性、(2)普及性、(3)効果性、(4)継続性の4つの指標があり、たとえば(2)は事業への参加率、(3)は改善率、(4)はリバウンド率のようにイメージしやすいですが、(1)に関しては多くの医療保険者で意識されていませんでした。
実は、(1)網羅性(被保険者全体に網をかけること)が事業効果をあげる上で最も重要であることが、最近のデータで検証されて参りました。

先月のセミナーでは、多田先生、津田先生から各健保組合の健康分布 より、リスクの分布や年間でどの程度の被保険者が悪化するかという状況を示していただきました。その中で、例えば、非肥満でリスクがない方々の16%が、一年間で肥満かつリスクあり(低リスク)に移行していました。
つまり今、健診結果がA判定でも、加齢とともに健康状況は悪化しており、「情報提供」群を含めた被保険者全体に働きかけることは重要なのです。

昨日ですが、ある健保組合で国の2012年度の目標であるメタボ減少率10%の近くまで2009年度に達成する見込みであることがわかりました。この健保組合では、「情報提供」群に保健事業を行うことでメタボへの悪化率を下げ、メタボ減少効果を高めていることが、実際のデータ分析からわかったのです。

被保険者全体に保健事業の網をかけることは予防医学の視点からも重要であり、保健事業の生命線であることがうかがえます。
来年2月の国の評価委員会でも是非、関係者に周知したいと思います。

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